いつかの君のように、真っ黒な空を仰いだ(スカルド) 空、 空。 真っ黒な、 空。 重々しくのしかかってくる其レは 僕の頭上を鬱陶しく覆う 僕はそんな空を見上げることもせず きみはただその重圧に耐えた 低く低く落ちてくる空は 僕等の明日まで押しつぶすかのようで まるで光をさえぎられた僕は きみの手をひいて歩いた 空、 空。 真っ青な 空。 「美しい」なんて言葉は 疾うの昔に失われ 行き場を失った響きは 黒ずんだ空に吸い込まれた こうして人の全てを吸い取った空は いつしか誰かの心のように 真っ黒に なっていった 重く重く感じるのは 僕の中にある罪の所為 空が近くに見えるのは 道を閉ざしたきみの所為 そしていつかきみは笑わなくなった それは空が黒くなったのと同時だったかもしれない 空、 空。 真っ黒な、 空。 僕の欲を 僕の罪を 僕の汚れを 僕のあしたを そうやって吸い込んで 空は きみの明日も奪った 言葉がなんの力も持たないことは知ってる そうしてぼくは いつかのきみのように 真っ黒な空を仰いだ