6565HIT 燈波様


「願い」

明日も僕は、ここにいるだろうか。


この薄汚く、寂しいゴミ捨て場のようなこの町に。


月の光りは届かなくなって久しく


最後に青い空を見たのは


僕が生まれる前だったかもしれない。


どうして、今まで生きてきたのか


何故僕なんかが生かされてきたのか


そんなのは、神様にでも聞かなきゃわからないけど


でも、きっと何かの手違いで


無駄にただこの一瞬をすごしてる。


どこかで死んだはずの


生きることを望んでた誰かが


そのうち僕の命を


すいとりに来るんじゃないかって、


そればかり


考えて


夜はくらくて怖いし


昼は灰色で悲しいし


一人ぼっちの僕は


誰かにすがることもできず


息をひそめて


誰にも見つからないように




ねえ、かくれて生きていて


それでも誰か僕に気付いてくれるかな


明日の空が暗くても


誰かが光りをくれるかな




ずっと さみしかった


一人で 泣きたかった




早く、


お願いだから僕をみつけて


僕に気付いて


そうじゃなきゃ


僕にはわからないから


生きてるのか


死んでるのか


泣いてるのか


笑ってるのか




そんなの


きっとおかしいことで


それなのに


僕にはそれすらわからなくて




だから


ねえ、


だから。



早く僕に気付いて。