ねえ、君はどう思う?
間違っているのは僕のほうかな?
それともこの歪んだ世界?
君たちにはわからないかもしれない
この世界が欲望と矛盾で出来ているってことが
知っているふりをして知らんぷりを決め込むのは
結局何も知らないってことだ
僕はただ一人で、孤独につつまれて、
この世界を流れていくさみしさと
自分勝手を見つめているんだ
君はわかってるのか?
君のつまらない一言、君のくだらない行動で
まわりの多くの人間を傷つけてるってことを。
その多くの人たちが
誰にも気付いてもらえずに
そうして出来たわだかまりを
涙を流してのみこんでるってことを
君のまわりにいる人間は
結局のところ他人でしかないことを。
ねえ、君にはわからないんだよ。
僕の母親と僕の間には
実のところ昔おなかの中に少し入れてもらってたって
つながりしかないってことが。
僕の父親が僕とつながっていたのは
つきつめて言えば目にも見えない精子が
僕のはじまるときにおまけみたいに突き刺さっていた
それだけなんだってことが。
ねえ、そうだろ?
そうやって見たら少しはわかるはずだ
君と君のとなりにいる人なんか
太陽と冥王星より数億倍も
遠い存在なんだってことが。
それでも、ねえ、それでもだよ、
人間は本当に本当の孤独の中では
生きていけないんだ
どうしてかわかるかい?
本当に孤独の中では
自分の全てがとけだして
最後には何もかもが
孤独の小さな欠片の一部に
なってしまうからだよ
僕の言ってることは伝わってる?
だから、みんな必死になって
とけだしてしまわないように
自分を殻に包み込んで
つまらない意識の渦に飛び込むんだ
でもそれは間違ってる
そんな渦の中に
この渇きを潤してくれるものなんてないんだ
ねえ、君は僕の言ってることも
矛盾してると思う?
矛盾から生まれ出た僕が
矛盾してるって?
当たり前じゃないか!
じゃあ何だ、
君にはわかるのか?
本当のところ僕が何で生きてるのかなんて!